法人カードの比較では、還元率やポイントの使い道が大きく扱われる。
広告費を一枚へ集めれば、どれだけポイントが貯まるのか。
どの交換先を選べば、最も得になるのか。
年間利用額が多い会社ほど、その差は大きくなる。
しかし、広告代理店を営む株式会社Sの下川社長が最も警戒していたのは、ポイントを取りこぼすことではなかった。
決済が止まることだった。
株式会社Sの従業員は2名。それだけを見れば、大きな決済枠を必要とする会社には見えないかもしれない。
一方、広告代理店では、取引先に代わって広告費を立て替える場面がある。月によっては、必要な決済額が約1,000万円に達することもあるという。
一枚のカードが止まれば、広告配信や取引先の業務へ影響する可能性がある。
そのため下川社長は、セゾン、ダイナース、JCBの複数の法人カードを保有し、支払いを分けている。
目的は、ポイントを細かく最適化することではない。
一枚へ依存しないこと。
個人利用と法人利用を混ぜないこと。
必要な決済を、必要なときに止めないこと。
それが、株式会社Sの法人カード運用だった。
下川社長への取材
01 / PAYMENT SCALE
従業員2名。
必要な決済枠は、月1,000万円前後。
株式会社Sは、小規模な広告代理店だ。従業員数と決済額は、必ずしも比例しない。
取引先に代わって広告費を立て替える場面があり、月によっては高額な決済枠が必要になる。小規模事業者向けという分類だけでは、必要なカードを判断できない。
下川社長への取材
02 / CONTINUITY
ポイントを失うことより、
広告を止めることが怖い。
決済不能は、広告配信だけでなく、取引先の業務へも影響する可能性がある。利用可能額は特典ではなく、業務を続けるための基盤になる。
一枚に利用を集中させず、複数のカードで支払い経路を確保する。株式会社Sにとっては、その備えが還元率より先に確認する条件だった。
下川社長への取材
03 / SEPARATE LIMITS
個人で使うカードと、
会社を動かすカードを混ぜない。
下川社長は個人用としてアメリカン・エキスプレスのプラチナカードと、大丸のお得意様カードを保有している。一方、法人決済には別の発行会社のカードを使っている。
過去に個人用アメックスと法人用アメックスを併用していた時期があり、本人の利用状況では、個人利用が法人側の決済余力にも影響したと感じる場面があったという。
これは発行会社の一般的な制度を示すものではない。下川社長が実際に経験した運用上の判断として、個人と法人の決済余力を明確に分ける現在の構成へつながっている。
下川社長への取材
04 / ISSUER SEPARATION
好きなカードと、
会社で使うカードは同じでなくていい。
個人ではアメックスを使う。それでも法人では、アメックスのプロパーカードをあえて選ばない。アメックスを評価していないからではない。
個人と法人の決済余力を明確に切り分けたいという判断がある。カードへの好みと、業務を止めない構成は分けて考えている。
下川社長への取材
05 / THREE-CARD PORTFOLIO
複数枚を持つ理由は、
ポイントの仕分けではなかった。
一枚へ依存しない。
必要な決済を、
必要なときに止めない。
BUSINESS 01
セゾンプラチナ・ビジネス プロ・アメリカン・エキスプレス®・カードセゾンプラチナ・ビジネス プロ・アメックス
- 高額決済の分散
- 発行会社の分散
- 利用明細の仕分け
BUSINESS 02
ダイナースクラブ ビジネスカードダイナースクラブ ビジネス
- 一枚停止時への備え
- 発行会社の分散
- 法人決済の分離
BUSINESS 03
JCB CARD Biz プラチナJCB CARD Biz プラチナ
- 決済経路の分散
- 利用明細の仕分け
- 個人利用と法人利用の分離
下川社長への取材
06 / WHAT COMES FIRST
高度なポイント比較を、
実際にそこまでやるのか。
下川社長も、ポイントをまったく見ていないわけではない。一方、複数カードの還元率、交換先、利用先を細かく計算し、すべてを最大化するような運用には距離を置いている。
法人カードの比較サイトでは、利用先ごとにカードを分け、ポイントの交換先まで計算する方法が紹介される。下川社長が取材で示したのは、実際にそこまで行うのかという、より現実的な問いだった。
必要な額を決済できるか。一枚が利用できなくても、業務を続けられるか。個人利用が会社の支払いへ影響しないか。ポイントの最適化は、その後に確認することになる。
ビジクレ編集部の整理
BIZCRE ANALYSIS
カードに必要な枠と枚数は、
従業員数だけでは決まらない。
株式会社Sの法人カード構成は、ポイントを最大化するための3枚持ちではない。広告費の立替によって、月に約1,000万円の決済が必要になることがある。
一枚のカードへ依存すれば、利用できなくなったときに、広告配信や取引先の業務へ影響する。そのため、複数の発行会社のカードを持ち、個人利用と法人利用を分け、決済を一枚へ集中させない。
従業員2名という会社規模だけを見れば、過剰な構成に見えるかもしれない。しかし、カードに必要な枠と枚数を決めているのは従業員数ではない。その会社が、どの支払いを止められないかである。
ポイントは、
決済できた後に付く。
まず必要なのは、
決済できることだった。
CURRENT OFFICIAL CONDITIONS
現在の公式条件を、3枚で確認する。
取材内容とは分離し、カードDBで確認した公式情報を掲載しています。
COMPARE AND CALCULATE
決済を止めないための3枚を、
自社の条件で比較する。
広告費など高額な立替決済を一枚へ集中させないために、3枚の公式条件を比較候補へ引き継げます。必要な利用可能額は、現在の請求・支払いの予定を基に、公式条件とあわせて確認してください。
DISCLOSURE
取材について
本記事は、広告代理店を営む株式会社Sの下川社長への取材内容を基に、ビジクレ編集部が構成しています。会社名、代表者名、所在地、従業員数の一部は、公開許諾を確認した範囲で掲載しています。
月ごとの決済額、利用可能額、カードごとの具体的な支払先は非公開です。カードの使い分けは下川社長の事例であり、同じカードを申し込んだ場合でも、審査結果や利用可能額は異なります。
個人用と法人用のカードを併用した際の経験は、下川社長が自身の利用状況で感じた運用上の判断です。発行会社の一般的な制度を示すものではありません。
商品条件は取材内容とは分離し、公開時点でカードDBに確認された公式情報を掲載しています。本記事への掲載は、ビジクレのカードランキング、適合指数、比較結果に影響しません。
